株式会社エヌ・アンド・アイ・システムズ

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アメリカで人気のある35の修士号の中から、コンピューターサイエンスが、職を得る上で利点の多い学位の第2位に選ばれた。この学位を取得した卒業者の平均収入は、調査対象の学位の中で6番目に高く、就職率は2010年からの10年間で22%増加すると予測されている。

現在、社会的にその重要性と影響力を増しているコンピューターサイエンス分野だが、学校においては、コンピューター教育はどのように位置づけられているのだろうか。

 

コンピューターサイエンスを必修科目に!シカゴの初中等教育における取り組み

2013年10月に、米シカゴの公立学校でコンピューターサイエンスが必修科目になることが発表された。この初中等教育を対象とした試みにより、シカゴの公立学校に通う学生は全員コンピューターサイエンスの授業を履修することとなる。

未来のビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグを育てるべく立ち上げられたこの政策では、教員たちに対する無料の研修会も提供される。しかし教職員組合からは、学区内に未だ図書館の設備さえもままならない学校が多く存在する中、どうやってコンピューター教育を徹底するのかと、政策を非難する声も上がっているという。

まだ解決すべき課題は残されているにせよ、学区単位では国内初となるこの動きに対する反応は大きく、オバマ大統領もこれを賞賛するコメントを出したという。

 

日本の学校教育におけるコンピューター教育の課題

日本の学校において、コンピューター学習は指導要領により中学校の技術家庭科目や高校の情報科目内で扱われることになっている。しかし大学入試科目に含まれていないこともあり、そこに力を入れている学校は少ないのが現状だ。

一方で、テクノロジー環境は大きく変化している。今や小学生でもパソコンを使いこなす時代であり、教員以上に学生の方がコンピューター能力に長けている場合もある。将来のコンピューターエンジニアを育てるには、現在の教育システムは不十分であると言わざるを得ない。

また、株式会社ベネッセコーポレーションの鈴木氏は、コンピューターが受験科目になり、試験に合格することがコンピューター学習の目的になってしまうと、その内容は実社会で必要とされるコンピューター能力とはかけ離れていってしまうと話す。能動的な学びの姿勢、つまり探求心の育成が、これからのコンピューター教育に必要とされているというのだ。

 

Googleが主催する小中高生に向けた「コンピューターに親しもう」プログラム

そんな中、Googleが2013年10月に、日本でコンピューターサイエンス教育の支援プログラムを開始した。6歳から15歳までの児童、学生を対象としたこの「コンピューターに親しもう」プログラムでは、子供向けのプログラミング言語であるScratchを使用したプログラミング演習が行われている。

このプログラムの目的は、日本が世界のリーダー的役割を果たしているサイエンス及びイノベーション分野と、未だ発展途上であるソフトウェア分野との溝を埋めることにあるという。

 

まとめ

初中等教育においてコンピューター学習を推進する動きが世界各国で起こっているなか、日本のコンピューター教育はまだ理想的といえる状態ではないだろう。そんな中でも、Googleなど民間企業の動きでは、未来のコンピューターエンジニアの育成に向け、初等教育へのアプローチを開始している。それに触発された動きが今後、どのように展開されるか、注意深く見守っていきたい。

 

参考:
Forbe: The best and worst master’s degree for jobs
http://www.forbes.com/sites/jacquelynsmith/2012/06/08/the-best-and-worst-masters-degrees-for-jobs-2/
Huff Post Chicago: Chicago public schools adding computer science to core curriculum
http://www.huffingtonpost.com/2013/12/10/chicago-public-schools-co_n_4419916.html
Techacademy: コンピューター教育をキーパーソンが語る!「なぜプログラミングが必要なのか?」イベントレポート(その1)
http://techacademy.jp/magazine/1255
Google、日本の小中高校生に「Raspberry Pi」でプログラミング実習を開始
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20131029_621377.html

画像:
http://pixabay.com/en/baby-boy-child-childhood-computer-84627/

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