一般企業をFacebookのように！Pivotalの新しいビジネスモデルとは？
2013年4月にEMCとヴイエムウェアの出資によって設立されたPivotal。8月にはPivotalジャパンも始動し、今たいへん注目されている会社だ。そして、すでに提供されていたコンポーネント製品に加えて、新しくプラットフォーム製品「Pivotal One」が発売された。
Pivotalのクラウドコンピューティングとビッグデータ分析を融合した新しいビジネスモデルが、今後の企業のあり方をどのように変えていくのか、期待が集まっている。ここでは、Pivotalの想定する新しいビジネスモデルのポイントを解説しよう。
データの分析結果に応じて機能するアプリケーション
GoogleやFacebookがこれほどにも成功を収めているのは、一体なぜだろうか。その秘密は、これらの企業が持つビックデータ分析能力と、それに対して的確に機能するアプリケーションにある。
PovotalのマーケティングチームのTodd Paoletti氏は、この二つを融合させることに次世代のビジネスモデルがあると言う。Paoletti氏は、これを”data-driven application”と呼ぶ。つまり、データの分析結果に応じて機能するアプリケーションだ。これらの企業では、データ分析がアップデートされると、それがリアルタイムにアプリケーションの機能に影響するようになっている。例えば、システムがユーザーの購買パターンを認識して、関連商品がそのユーザーのコンピューター画面に現れるといった具合である。
PivotalのCEOであるマリッツ氏は、現在は多くの企業において、データ分析とアプリケーションの連携が不十分であり、今後はGoogleやFacebookといった大企業が行っていることを一般企業も行えなければならないと言う。そして、巨大なデータセンターを持たない一般企業にとってもそうすることを可能にしてくれるのが、Pivotalの提供するマルチクラウドプラットフォームというわけだ。
Pivotalの提供するサービス
Pivotalの提供する、マルチクラウドプラットフォームとビッグデータ分析機能を紹介しよう。
1. PaaS (Platform-as-a-Service)
Pivotal Oneは、包括的でマルチクラウドな企業向けPaaSで、既存のPivotal CF上で機能する。これを使うと、アジャイル開発チームは、情報を素早くアップデートし、それに対応してアプリケーションをパブリッククラウドとプライベートクラウド向けに調整し、更に即座にそれを拡張しアップグレードすることが可能になる。その結果企業は、新しいシステムをこれまでになく素早くマーケットへと提供することができるようになるのだ。
2. Big Data
企業におけるデータの量は常に増え続け、データ分析はそれにつれてより難しくなる。Pivotal Big Dataは、そんなデータから意味を取り出して、顧客に対してカスタマイズしたアプリケーションの開発を手助けしてくれる。
これにより、企業は素早くデータにアクセスし、またそれをコントロールできるようになり、これまでにないペースでモダンなアプリケーションを開発、展開、そして調整することが可能となる。
新しい時代のプラットフォーム
一般企業がFacebookなどの巨大インターネット企業と同じ機能を持つことを可能とする、Pivotalのビジネスモデル。Pivotalは、「New Platform for New Era（新しい時代のための新しいプラットフォーム）」という言葉で自らの提供価値を表現している。この言葉は決して大げさなものではないといえるだろう。
参考：
Pivotalが目指す「企業が生き残るための新世代アプリプラットフォーム」って何？
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1305/09/news033.html
EMCとヴイエムウェアの新会社Pivotalは何を目指すか
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1304/25/news047.html
事業を急速に拡大するPivotal、その狙いと日本での戦略は
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1310/25/news043.html
Data, cloud tech go better together, Pivotal exec says
http://venturebeat.com/2013/11/15/data-cloud-pivotal-qa/