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IaaSを活用した全社IT基盤の構築

N&I SystemsService IaaSを活用した全社IT基盤の構築

IaaSを活用した全社IT基盤の構築

多くの国内ユーザー企業がIaaS(Infrastructure as a Service)を、コスト削減を目的として利用している。しかし、「期待通りの成果を挙げている企業は少ない」とアイ・ティ・アール(ITR)のホワイトペーパー「ビジネス成果獲得のためのクラウド活用指針」(2014年4月9日発表)は分析する。

「IaaSを活用して大きな成果を挙げるためには、その活用戦略を再考する必要がある」という同ホワイトペーパーに沿ってクラウド活用のポイントを見ていこう。

なお、ITRではIaaSとは、「CPU処理能力、メモリ、ストレージといったハードウエア資源をサービスとして提供するビジネスモデル」と定義している。つまり、自社所有型システム(オンプレミス)ではなく、一般に「パブリッククラウド」と呼ばれている、事業者がサービスとして提供しているものをIaaSとしている。

 

活用戦略の再考が迫られるIaaS

ホワイトペーパーの基となったITRの調査(国内ユーザー企業対象2014年2月)では、IaaSの活用に関して以下の問題点が浮かび上がった。大きな成果をあげるためには、その活用戦略を再考する必要があることが明らかとなっている。

・国内ユーザー企業ではIaaSは当然の選択肢の一つではあるが、現時点では会計、人事、給与などの基幹系システム、生産、品質保証、在庫、物流、販売のような業務系システム、電子メール、企業ポータルのような情報系システムのいずれにおいても、今後、IaaSの利用率が大きく拡大する動きは見られない。

・国内ユーザー企業のIaaS活用の目的はコスト削減が中心となっており、また、依然としてセキュリティの不備を懸念する声も強い。

・コスト削減をIaaS活用の主目的とした企業でも、期待通りのコスト削減を果たしているケースは限定的である。

・パブリッククラウドとプライベートクラウドの使い分け基準を持っている企業は過半数を占めるものの、一般的によく知られている基準を採用する企業が多い。

 

IaaS活用ためのアプローチと留意点

それでは、実際のIaaSの活用戦略とはどのようなものなのだろうか?
ITRでは以下のように整理している。

IaaSに対する期待成果 成果獲得のためのアプローチ 留意点
社内人件費を含めたトータルコスト削減 ITインフラの運用コスト(社内人件費、業務委託費など)を事前に明らかにしておき、運用作業をどこまで削減できるか試算する。 ・運用スタッフは多くのシステムに携わっており、特定のシステムにかかる運用コストの実績産出は容易ではない。・社外運用要員が削減できるか難しい。・社内の運用要員を上流業務に転換するのは容易でない。

・サービスレベルとコストの評価方法を確立する。

一定期間における社外支出の削減 ・いつでもより安価なIaaSに移行できるように備える。・従量課金のIaaSを活用し、費用の最小化を図る。 ・汎用的かつ標準的ITアーキテクチャを採用する。・長期契約の長所・短所を考慮した上で契約期間を決定する。・社内外支出を削減した反面、IT部門の運用負担が増大することがないように配慮する。

・アクセス集中など想定外の利用量増加によって過大な支出が発生しないか留意する。

ビジネスに対する後方支援的な成果(グローバル対応、迅速な事業立ち上など) ・自社の「グローバル対応」に必要なIT要件を明確化する。・新規システム立ち上げリードタイムの最短時間を規定する。 ・グローバル対応は国内データセンターでも対応可能なケースも多い。・社内意思決定や社内手続きにかかるリードタイムが短縮されないと意味がない。
売上、利益の向上など直接的な成果 IaaSだけでなくアジャイル開発プロセスなどアプリケーション構築手法、スマートフォン、タブレットなどデバイス活用も検討する。 ・IT部門に閉じた検討では意味がなく、ビジネス部門や経営者と一体になった検討が必要。

 

依然として大きなテーマであるITインフラの活用

しかし、よく考えてみると以上の指摘は、IT基盤がここで話題としているクラウド・IaaSではなく、クライアント・サーバモデル、SaaS・ASPの時代など、はるか以前から指摘されてきたことだ。つまりITインフラの刷新はトータルコストの削減を目指すべきで、IT部門だけでなく、営業・生産、経営部門と一体となった検討が必要、ということである。

これは、とりわけ目新しい主張ではなく、むしろ、クラウド・IaaS時代においても依然として従来と同様の項目が問題になる理由の方が重要である。そして、その理由はこのレポートからは見えてこない。

コスト削減といういわば内向きの動機でなく、売り上げ増大という“攻め”にITインフラを活用する方策は依然として大きな課題として残されている。

 

参考:

ビジネスへの貢献度を向上させるため、IaaSを活用して全社IT基盤を再構築すべきである

ーITRが、クラウド・コンピューティングの活用意義とアプローチを解説したホワイトペーパーを発行ー

http://www.itr.co.jp/company_outline/press_release/140409PR/

 

IT基盤再構築のためのクラウド・コンピューティング

http://www.itr.co.jp/library/public/ITR_WhitePaper/ITR_WP_C14040062.pdf

 

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